不登校に高校中退……
バイトも続かずゲーム三昧の日々

小学5年生の時のこと。それ以前は元気に過ごしていたのですが、悪性ウイルスによる病気にかかってしまい、1か月ほど学校を休むことになりました。無事病気は治ったのですが、久しぶりに学校に登校した際、周りからの目線を怖く感じてしまい……。
その後、学校に行けなくなり、中学校までは不登校でした。当時は、同級生から好奇の視線を向けられているように感じてしまったのです。
高校受験は合格するも、早々に中退。独り立ちするためにアルバイトを始めようとしましたが、面接で高校中退を馬鹿にされて落ち込んだり、仕事が合わずに長続きしなかったり……。何もかも続かず、引きこもってしまいました。
将来の夢はアル?ナシ?
日本から抜け出し、海外に行きたかった

漠然と「海外に行ってみたい」と思っていました。日本という環境から抜け出したいという願望がありました。
ただ、学生時代は、あまり人生に希望を見い出せなかったというのが正直なところです。
勉強もできず、スポーツも苦手。何をしていたのかと言われると、ひたすらゲーム三昧。当時は、ゲームの世界が一番の居場所だったかもしれません。
学生時代を取り戻すように、
海外に行きまくった20代

20代になり、アパレルショップでバイトを始めることにしました。今までは何をしても長続きしなかったのに、そこでは人に恵まれ、本当に楽しかったです!忙しい職場でしたが、夢中で働けることがただただ楽しく、ほぼ休みなく働いていましたね。
金銭的な余裕はありませんでしたが、ヴェネツィアや台湾、オーストラリアなど、海外旅行にも行くようになりました。英語が話せずに空港で困ったり、こわもてのお兄さんにビビったりすることもありましたが、案外なんとかなるものです。
学生時代に学生らしい経験をしてこなかった分の時間を取り戻すかのように、いろいろな体験をしていましたね。
ここが人生ハイライト
カナダでワーキングホリデーを決意!
人生最大の思い出に

オーストラリアに旅行中、ワーキングホリデーで働いているという、自分と同い年の人に出会いました。「もし、迷っているならやってみたほうがいい」と言われ、ワーキングホリデーを決意。英語が全然できなかったので、まずはフィリピンの語学学校に通い(その間、食あたりで入院も経験しましたが)、その後、カナダのトロントで生活を始めました。
カナダでの生活は、「時間がゆったり流れている」という表現がしっくりきますね。午後4時頃には仕事を終えて、人々が公園でおしゃべりをする時間を楽しんでいる姿を見て、日本の文化とのギャップを感じました。学生時代に想像していたよりも、大人って楽しそうだなと思えましたね。
ちなみに、ワーキングホリデー中に南米を旅行したのですが、それが人生で一番の思い出です。特に、アルゼンチンを訪ねたときに行ったイグアスの滝は忘れられません。日本の滝がちっぽけに見えるほどの迫力で、やっぱり生で見るって大事だなと思いました。
富士山レベルの標高でダッシュし、死にかけた

ペルーのクスコという土地に行ったときのこと。そこは富士山と同じくらいの標高で酸素が薄いため、現地の人から「日本人は高山病になりやすい」と言われていました。
でも案外元気だったので、調子に乗って「坂道を走ってみよう」と思ってみたんです。でもさすがに死にそうになりましたね(笑)。あくまでも自己責任でやったので、真似はしないでくださいね。
YOASOBIのツアー、海釣り……
「バケットリスト」達成を目指す!

ワーキングホリデーから帰国後、転職もしながら、現在は会社員として働いています。
社会人としての心構えを教えてくれた大切な上司との出会いもあれば、職場環境に悩むこともありましたが、何だかんだ、日々幸せを感じながら生活ができています。
今の目標はバケットリスト(死ぬまでにやりたいことリスト)を1つずつ達成すること。いつ死んでも後悔しないようにとやり始めたのですが、1つ達成すると、そこからまた新たにやりたいことが生まれ、リストが増えていきます(笑)。
今は「友達とYOASOBIのツアーに行く」「海釣りをしてみる」「ハウステンボスで泊まってみたいホテルに泊まる」などがリストに入っていますね。
「失敗」ではなく「成功」。
人生なんとかなる

私が伝えたいことは、「人生なんとかなる」ということ。人それぞれ、置かれる状況は異なりますし、苦しい時期もあると思います。それでも、動き続けていれば、何とかなります。
挑戦してもできなかったことは、「失敗」ではなく「成功」です。「自分には向いていない」「今はできない」ということに気付けたならば、それは大成功です。
そして、学校ではお金の使い方は学びませんが、ぜひ「体験」にお金を使ってほしいです。行きたい所に行ったり、会いたい人に会ったり。体験にお金を使うことで、自分を幸せにすることができると思います。
ちなみに、幸せに生きる参考にオードリー若林さんの「ナナメの夕暮れ」、佐藤満春さんの「スターにはなれませんでしたが」という本をおすすめします。興味のある方はぜひ読んでみてください。
「人から頼られる人」になることも大切ですが、それと同じくらい、「人に頼れる人」になってほしいです。
人間は誰かに頼られると嬉しいもの。誰かに頼ることで、自分だけでなく、相手も幸せな気持ちにできる可能性があります。
そんな積み重ねで、誰かの人生をほんの少しだけでも変えることができたら、と思っています。